トマトは直近4~5年で産地が増加しており、価格帯や品目に対する差別化が図りにくくなってきています。従来の技術や栽培方法でどのように付加価値をつけて販売するかを悩んでいた時に、静岡県の研究施設が実施するAOIプロジェクト(農業の飛躍的な生産性向上と農業を軸とした関連産業のビジネス展開を促進する取り組み)のモデル事業に参加することに決めました。静岡県農林技術研究所の特許技術を使ったトマトは、機能性成分である「GABA」の含有量が高いことが分かり、数あるトマトの中で付加価値をつけて販売するために、何かオリジナルティを出すための1つの手段として機能性表示食品の取得に動き出しました。
届け出作業を進めていく段階に入り、どのようなパッケージデザインで流通させるのかなどデザインデータを添付する必要があり、パッケージに関しての知識はあまりなかったため依頼先で困っていました。当社の中でもこんなイメージのパッケージにしたいという考えはありましたが、誰に頼めば良いのか分からない状況の時にベルグリーンワイズ社の担当者に出会い、専門的な知見も持っていたため相互理解も早くスムーズに作業を進められ、商品化することができました。
お客様情報:JAふじ伊豆(三島函南地区) 様
JAふじ伊豆様は静岡県東部地区の8農協が統合された農協様です。
今回取材させていただいたJAふじ伊豆 三島函南地区様は三島市に位置しています。
機能性表示食品「ミシマガチトマト」は、県の栽培技術(※1)を活用して栽培されており、甘くて味が濃いことが特徴です。
生産時期は、6月~8月、12月~3月の年2回で年間約10トン栽培されています。
主な販売先は、ファーマーズマーケットみしまるかん、三島市内のイトーヨーカドー様、ツルハグループ様です。
(※1) トマトの株の重さを自動測定したうえで、水と肥料を与えるタイミングをコントロールするシステム
【HP】JAふじ伊豆様
量販店では数種類のトマトが陳列されるため、少しでも消費者の目を惹く商品にしたいと思っていました。機能性表示食品を取得するまでは無地袋の包装で、糖度や品質の高いトマトでも差別化を図ることが難しかったです。取得後は黄色を主としたデザインで売場で目立つ仕様にし、機能性成分は「GABA」で「仕事や勉強による一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和」と表記しています。GABAで訴求できる機能性成分は他にもありますが、生活する中でどの世代でも抱えるストレスに着目し、老若男女問わずミシマガチトマトの魅力を知ってもらい認知拡大できればと考えています。また、従来の無地袋から機能性成分を表記したパッケージにしたことで納品先からの反応も良く販売単価も上がりました。
世の中に数あるトマトですが、県の技術を活用して「本気」で研究したものを、「本気」の現場で作ることから「ミシマガチトマト」と名付け、機能性表示食品取得をきっかけにコンセプトにあった販売方法や他商品との差別化を図れるようになりました。三島という名前を商品名に入れている事も含め地域でしっかりと育てて良いブランドを確立させ、多くの方に食べていただきたいです。
我々のファーマーズマーケット「みしまるかん」にて、機能性表示食品をPRするコーナー化の計画を立てています。三島函南地区は、産地として様々な野菜があります。みしまるかんに来店される方には、その中でもハイブランドな商品は機能性表示食品だということをコーナー化をきっかけに発信したいです。
機能性表示食品が人々の健康生活の助けになるツールの一つとして日頃から手に取っていただけるように、まずは売場で商品の魅力をPRして理解していただくことが大切だと考えています。味が良いだけのトマトは多数ありますが、しっかりと機能性成分が担保され味も品質も良いトマトは少ないことを背景に、県の栽培技術を活用して「ミシマガチトマト」を確立したため、行政と連携をして訴求していきたいです。そして売り場づくりを通じて、自身で栽培した野菜で機能性表示食品を取得しようと思う方たちを増やすために、どのようなPRをすれば効果的な販売につながるのか検証していきたいです。
第一に「ミシマガチトマト」の商品認知拡大です。農協は、市場の人に商品を販売できますが、一般消費者の方には直接訴求することはできません。そのため、まず消費者にダイレクトに訴求できるファーマーズマーケットみしまるかんの売場を活用して、機能性表示食品の機能性成分がどのような効果をもたらすのか、他の商品とは何が違うのかなどPRすることが重要だと考えています。売場づくりを通じて、従来の市場流通では知ることができなかったお客様の反応や動向を見ながらどのような売場を作るか、どの時期に数量を多くすれば反応が得やすいのかなど、自分たちの目で確かめながら販売促進の努力をしていきます。そしてベルグリーンワイズ社には、商品化後の販売戦略部分までサポートしてもらえるため、効果的な売場での見せ方や訴求するための販促ツールを提案してもらい、担当者と連携して需要の高い商品にしていきたいです。