商品に付加価値をつけることで差別化して販売したいと考えたからです。通常、白ネギはシーズンになると供給過多に陥り、価格が大幅に下落することが多々あります。そのため、単なる青果として販売するのではなく、商品に付加価値を持たせることで価格の安定を図りたいという想いがありました。さらに、白ネギの栄養成分を分析した結果、ビタミンCと葉酸が豊富に含まれていることが分かったため、この特性を生かし消費者に「栄養価の高い野菜」として認識してもらうことで、より選ばれる商品にしたいと考えました。

■お客様情報:三つ星株式会社様
三つ星株式会社様は、白ネギとトマトを生産する農業法人です。作物をわが子のように育て、環境を整えながら愛情を持って見守り、その個性を最大限に引き出されています。生育環境を調査・データ化し、栽培に活かすことで安定した品質を実現。栽培から選果、出荷まで一貫管理し、徹底した品質管理のもと「三つ星クオリティ」を生み出されています。
今回取材した白ネギは、肥沃で栄養たっぷりな土壌の坂井平野で育ち、**福井県知事賞(H30年)**を受賞。7haの農地で栽培し、11月に種まき、7月から翌年5月にかけて収穫し、主に北陸の量販店へ出荷されています。
【HP】三つ星株式会社様
【Instagram】三つ星株式会社様

商品化のプロセスは容易ではありませんでした。当社はもともと「ネギの栄養成分を活用して商品化しよう」と明確に決めていたわけではなく、「何とかして栄養機能食品として販売できないか?」という模索から始まりました。まず、どの成分を強調すれば良いのかを決める必要があり、白ネギは年間を通じて栽培されており、品種や収穫時期によって栄養成分が異なるため、成分分析の方法やサンプル採取の仕方を決めるのに苦労しました。例えば、白い部分と青い部分では含まれる成分が異なり、どの部分を分析対象とするかも重要な課題でした。さらに、福井県の関連部署とも連携しながら試行錯誤を重ね、最終的に「ビタミンCで栄養機能食品の商品化、さらにビタミンCと葉酸の2種類を強調表示」という形で商品化が実現しました。
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当社は、一昨年から企業のリブランディングを進めています。安定供給の基盤は確立したため次のステップとして、機能性表示食品や栄養機能食品を通じた商品のブランド価値向上に注力しています。今回商品化した白ネギにおいては、ビタミンCや葉酸といった栄養成分を強調し、健康意識の高い消費者をターゲットにしています。また、少子高齢化が進む日本において、手軽に栄養価の高い食材を摂取したいというニーズに応えることが重要だと考えています。商品を選ぶ際に「少し食べればこれだけ栄養が摂れる」と実感してもらい、消費者の意識を変えることが長期的な健康促進に繋がると信じています。
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また、パッケージデザインもありきたりなデザインでは消費者の興味を惹くのは難しいため、ベルグリーンワイズ社の担当者と相談しながら多くの試行錯誤を重ねました。「栄養機能食品」としての特徴をアピールしながら、売場で目を引くインパクトのあるデザインに仕上げています。

現在、トマトで機能性表示食品の取得を目指し、いち早く消費者の皆様にお届けするために準備を進めています。
また、物流の変化や気候変動を考慮し、鮮度保持技術の活用も視野に入れ、変化する市場へ柔軟に対応していきたいと考えています。
さらに、「ミニミニ野菜シリーズ」の展開もスタートしました。カラフルなミニトマトやミニきゅうりなど、小さくて扱いやすい野菜を揃えることで、忙しい人でも手軽に野菜を取り入れられるようにするのが狙いです。当社は、これからも高品質な野菜を安定して供給しつつ、消費者の健康を支える新たな商品開発に挑戦し続けていきます。

