新潟県産“すかっとレモン”は、収穫後の長期貯蔵を前提に販売計画を立てています。特に5月から7月にかけての販売を目指しており、そのためには収穫したレモンを適切に貯蔵することが不可欠でした。果実は収穫後も呼吸を続けるため、通常の袋では内部に水滴が発生し、品質の劣化を招くことがあります。そこで、鮮度を長持ちさせるオーラパックの導入を決めました。
さらに、個包装することで、万が一一部のレモンに傷みが出た場合でも、他のレモンへの影響を防げる点も導入の決め手になりました。また、大手スーパーマーケット様でオーラパックが使用されているのを見て、実際の市場での実績があることを知り、採用に至りました。

お客様情報:新潟中央青果株式会社 様
新潟中央青果株式会社様では、青果物及びそれらの加工品の総合卸売販売をされています。
1964年の創業以来、生産者と消費者をつなぐ“食のパイプ役”として、新鮮で安全な青果物を適正価格で届けることに尽力されています。新潟の食文化と農業の発展に貢献し続ける「食文化の創造者」として、地域社会に根ざした取り組みを展開されています。
【HP】新潟中央青果株式会社 様

2024年に初めて収穫・貯蔵を試みた際は、収穫のタイミングの影響もあり、一部のレモンに傷みが見られました。その経験を活かし、2025年はより適切な時期に収穫を行うことで、より良い状態で貯蔵を開始しました。現在、約1か月半が経過していますが、レモンの状態は非常に良好で、傷みが発生することなく維持できています。
また、オーラパックに入れたレモンとそのままの状態で保管したレモンを比較すると、オーラパックに入れたものは鮮度がしっかりと保たれ、みずみずしさが持続していました。実際に、9月中旬に収穫したレモンを3月下旬まで保管したところ、裸のものは見た目や質感に変化が見られたのに対し、オーラパックのものはフレッシュな状態を維持していました。こうした結果からも、オーラパックの鮮度保持効果の高さを実感しています。

新潟県は米どころで、多くの農家が「育苗ハウス」を所有していますが、その使用期間は1~1.5ヶ月程度と短く、残りの期間は活用されていませんでした。この未利用のハウスを有効活用できないかと考えていたところ、近年の温暖化の影響で柑橘類の栽培が可能かもしれないと着目し、まずはレモンから挑戦することにしました。レモンの栽培において冬の寒さは大きな課題ですが、育苗ハウスを活用することで寒さをしのぎ、無加温の状態でも生育できることが分かりました。また、育苗期間(4~5月)はハウスを利用できないため、鉢植えによる「ボックス栽培」を導入し、必要に応じて移動できる仕組みを整えました。
さらに、近年の円安や輸入レモンの価格高騰を背景に、国産レモンの需要が高まっています。輸入品は防腐剤を使用するため特有の貯蔵臭がありますが、国産レモンは鮮度が高く、皮ごと食べられる点が大きな魅力です。
こうした市場ニーズの変化も追い風となり、新潟県内の生産者が集まり「雪国レモン倶楽部」を結成しました。現在、28組の生産者が参加し、2026年の本格出荷を目指しています。

現在、日本の農業は高齢化や後継者不足の問題に直面しています。特に生産量の減少や天候の影響が大きく、安定した供給が難しくなっています。当社では、生産者と市場、販売先をつなぐチームを作り、消費者のニーズに合った商品を生産できる仕組みを整えていきたいと考えています。また、現在の日本は輸入品に依存しており、円安の影響で海外からの仕入れが不安定になっています。こうした状況の中で、国産の農産物を増やし、安定供給できる環境を整えることが重要です。新潟県産レモンの生産を拡大し、2026年4月には正式に県の育成ブランドとして認定される予定です。今後も、地域の農業を支えながら、国産柑橘の新たな可能性を広げていきたいと考えています。

