沖縄の伝統野菜である島にんじんは、中城村が島内生産量の約8割を占める主要産地ですが、緑化が進行しやすく、沖縄県農業研究センターで対策する方法を調査していました。その際に、展示会でオーラパックを知り、サンプルを使って試験をしてみたところ、見た目にもはっきりと緑化抑制の効果が見られ、約3年に渡り試験を続けた結果、効果が実証されたため、実流通での採用となりました。
<取材させて頂いた方々>
・沖縄県中城村役場 農林水産課 山下様
http://www.vill.nakagusuku.okinawa.jp/index.jsp
中城村の島にんじんの普及、PR活動に力を入れられています。
生産農家への情報交換会や、地元子ども達とのレシピ開発、村外の方を対象とした収穫体験のイベントなどを行われ、地元誌や全国版のメディアにも掲載。様々な販売促進活動を進められています。
・沖縄県中央卸売市場 沖縄協同青果(株) 玉城様
沖縄県の中央卸売市場で島にんじんのご担当をされています。
今回取材させていただいた生産農家の方々との報告会では、年間の販売数量、販売額などを報告され、オーラパックに入れた出荷形態の販売面におけるメリットなどもご説明していただきました。
・沖縄県農業研究センター 恩田様、前田様
沖縄県産農産物の流通技術開発や、利用加工技術の開発をされているセクションです。
収穫後から販売まで約3、4日かかりますが、オーラパックを導入してから業者のクレームが減り、市場関係者も一目ではっきり分かるほど、変色抑制の違いを実感しています。この量目の商品は販売数が順調に推移し、今年は昨年の出荷量のおよそ二倍に増加しました。
前提として、鮮度保持の効果があっても、コストが大幅に上がってしまうと実際の流通や販売では使用できないため、その点でも、オーラパックは効果とコストメリットを両立できる良い資材だと感じています。
本来の島にんじんは果肉が黄色いのが特徴ですが、変色が目立ちにくい橙や赤色の品種も増加傾向にありました。しかし、伝統野菜の継承、味や栄養価における黄色品種の優位性の面でも、今後は本来の黄色品種の流通量拡大に力を入れていきたいという思いがあります。
そのためにも、鮮度保持技術による品質管理の役割は重要なため、オーラパックでの販売含め、さらに島にんじんの差別化、ブランド化を進め、流通量の増加につなげていきたいと考えています。
市場には、県外からの問い合わせも度々いただいています。
現状は、生産農家の高齢化などの問題から生産量が限られているため、島内販売にとどまっていますが、栽培面積を増やすための機械化、鮮度保持技術、差別化などを進め、流通量を現在のおよそ3倍に増やすことを目指して行きたいと考えています。